てんかん
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てんかんとは

てんかんとは、人口100人に1人程度(約0.5~1%)に見られる神経疾患の一つで、発症率が高い病気です。てんかんは乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層で見られますが、発症の特徴は年齢によって異なります。
発症は、3歳以下の乳幼児で最も多くみられます。一部の小児てんかんは、成長とともに治ることもありますが、治療を継続することが必要な場合が一般的です。一方で、成人期の発症は比較的少ないものの、60歳を超える高齢者では、脳血管障害やその他の脳の病気が原因となり、てんかんが発症するケースが増加します。
てんかんは年齢や原因によって症状や治療法が異なり、適切な診断と治療が重要です。当院では、てんかんの正確な診断と患者さまに合った治療を提供し、生活の質を向上させるサポートを行っています。
てんかん専門医による
診断と治療
当院の専門医と
一貫した診療体制

当院では、てんかん専門医が診療を担当しており、てんかんの診断や治療において高度な専門性を提供しています。診断から内服治療までを一貫して行える体制を整えています。これにより、診療の過程で生じる患者様の負担を軽減し、迅速かつ的確な対応を可能にしています。
てんかんは症状や原因が多岐にわたるため、専門的な視点に基づいた正確な診断が重要です。
当院で診療を受けるメリット
- 専門医が診断から治療までを一貫して担当
- MRIやCTによる精密な検査で原因を詳しく特定
- 個々の患者様に合わせた内服治療の提供
- 継続的なフォローアップで安心のケア
専門医による診断の流れ
STEP01
詳細な問診

発作の頻度や症状、発生時の状況を丁寧に伺います。患者様だけでなく、ご家族や周囲の方からの情報も重要視します。
STEP02
精密検査

MRIや脳波検査(EEG)など、先進的な検査機器を用いて脳の状態を詳細に調べます。これにより、発作の原因や発生部位を特定します。
STEP03
診断と治療方針の決定

検査結果をもとに、てんかんのタイプを診断し、適切な治療法を決定します。薬物療法を中心とした治療プランに加え、必要に応じて外科治療の検討や他機関との連携も行います。
専門医の診療がもたらす安心感
専門医による診療は、患者様やご家族の不安を軽減し、より効果的な治療を実現します。てんかんに関する深い知識と経験を持つ医師が診断を担当するため、疾患に対する疑問や不安にも丁寧にお答えします。治療の過程で生じるご質問や生活上のアドバイスについても、きめ細かくサポートいたします。
こんな症状ございませんか?
- 意識がぼんやりする発作が頻繁に起こり、会話が途切れることがある。
- 無意識のうちに特定の動作(口をもぐもぐする、手を動かすなど)を繰り返していることがある。
- 原因不明のふらつきやぼんやり感が続いて日常生活に支障を感じることがある。
- 突然手足の筋肉が硬直したり、脱力して転倒することがある。
- 突然意識を失い、数分間のけいれんを伴うことがある。
てんかんの症状
てんかんの症状は発作の種類や脳のどの部分が影響を受けているかによって多様です。
てんかん発作でよく見られる具体的な症状を下記にまとめました。
全身性のけいれん

- ・ガクガクとけいれんする
- 突然全身がリズミカルにけいれんし、意識を失うことがあります。これは、脳全体が一時的に異常活動を起こしている状態です。
- ・体全体が片方に引かれる
- 発作中、全身が片方に引っ張られるような動きをすることがあります。
部分的な運動症状

- ・手足や顔が引きつる
- 特定の部位がけいれんし、痙縮したように動くことがあります。この場合、意識が保たれていることもあります。
- ・まぶたがピクピクする
- 繰り返しまぶたが動く、軽いけいれんが見られる場合があります。
意識に関連する症状

- ・突然意識がなくなる
- 突然意識が失われ、周囲の刺激に反応しなくなることがあります。
- ・ぼんやりした目つきになる
- 数秒から数十秒間、目が虚ろになり、動作が一時的に止まることがあります。
体の異常な動き

- ・ねじれる
- 発作中に体が異常にねじれるように動く場合があります。
- ・回転する
- 自分の意思とは関係なく体が回転することも、てんかんの症状の一つです。
てんかんの原因
てんかんの原因は多岐にわたり、さまざまな要因が脳の異常な神経活動を引き起こします。
てんかんの主な原因を下記に記載しました。
頭部外傷
出生時のトラブルや生後の事故などで起こる大脳の損傷が、てんかんの発症につながることがあります。特に、頭部を強く打った場合や外傷後の神経細胞の損傷が原因となることが多いです。
中枢神経系の感染症
脳炎や髄膜炎などの感染症が脳に炎症を引き起こし、その後遺症としててんかんが発症することがあります。これらの感染症は、脳神経に長期的な影響を与える可能性があります。
脳血管障害
脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によって脳細胞が損傷を受けることで、神経活動が乱れ、てんかんを引き起こすことがあります。特に高齢者に多く見られる原因の一つです。
脳腫瘍
脳内に発生した腫瘍が周囲の神経細胞を圧迫したり、機能を妨げることで、てんかんが発症することがあります。この場合、腫瘍の治療と並行して発作のコントロールが求められます。
脳の変性疾患
アルツハイマー病やパーキンソン病など、脳の神経細胞が徐々に変性する疾患が原因でてんかんを引き起こす場合があります。これらは主に高齢者で見られるケースです。
先天性の大脳皮質形成異常
出生前に脳が正常に発達しなかった場合、大脳皮質形成異常が生じ、これがてんかんの原因になることがあります。このような先天性の異常は小児てんかんでよく見られる原因の一つです。
代謝障害
低血糖症や電解質異常などの代謝異常が、脳の神経細胞に影響を与え、てんかんを引き起こすことがあります。適切な代謝の管理が発作の予防に重要です。
遺伝性疾患
てんかんには、家族内で発症するケースもあり、遺伝的要因が関与している場合があります。特定の遺伝子変異が発作を引き起こしやすい体質につながるとされています。
てんかんの治療

てんかんの治療は、主に内服治療によって発作をコントロールすることが可能です。適切な薬物治療を行うことで、多くの患者さまが日常生活を快適に過ごせるようになります。
近年、新しいてんかん治療薬が次々と開発され、過去10年ほどで多くの選択肢が増えました。これらの新規薬剤は、従来の薬と比べて副作用が少なく、安全性が高いのが特徴です。また、患者さまごとの症状やライフスタイルに合わせた使いやすい治療法が提供できるようになっています。
現在、長年治療を受けている患者さまでも、副作用が気になる、または薬の効果が十分でないと感じる場合は、薬の変更や治療方針の見直しが有効な場合があります。