もの忘れ外来
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もの忘れとは

もの忘れ外来とは、加齢や生活環境の変化によるもの忘れや認知機能の低下が気になる方を対象とした診療を行う専門外来です。特に、高齢化社会の進行に伴い、もの忘れや認知症を心配される患者さまが増えています。
誰しも40~50代になると、日常生活でもの忘れが増えた、集中力が低下したと感じることが多くなります。さらに、60~70代になると、認知症への不安を抱える方も増加します。統計によれば、80代前半では2割以上、後半では4割以上の方が認知症を発症しているとされています。
こんな症状ございませんか?
- 最近、約束の時間や予定を忘れることが増えた。
- 同じ話を繰り返してしまうと家族に指摘されることがある。
- 日常の買い物で、何を買うか忘れてしまうことが多い。
- 名前や言葉がすぐに出てこず、会話に困ることがある。
- 慣れていた場所で迷うことや道がわからなくなることがある。
もの忘れの診断に用いる検査
01. 日常生活障害の評価
(患者さま・ご家族からの問診)
日常生活障害の評価では、患者さまやご家族からの問診が診断の基本となります。認知症の診断においては、検査で異常が見つからない場合でも、患者さまやご家族の話が重要な手がかりとなることがあります。日常生活での変化や困りごとを詳しく伺うことで、認知症の可能性を含めた症状の原因を探ります。
02. 日常生活障害の評価
(患者さま・ご家族からの問診)
認知機能評価は、認知症診療の基本となる検査で、認知機能の状態を把握するために行います。MMSE(ミニメンタルステート検査)やHDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)など、複数の検査を組み合わせることで、より客観的な評価が可能です。
認知機能は時間の経過とともに変化するため、評価は1回で終わりではなく、数ヶ月おきに定期的に実施することが重要です。これにより、進行状況を把握し、適切な治療やケアを継続的に行うことができます。
03. 血液検査
血液検査では、認知機能の低下に関連する内分泌や代謝疾患を確認し、これらが原因である可能性を除外します。特に、認知症治療を開始する初期段階で実施することが推奨され、診断や治療方針の決定に役立ちます。
04. 画像診断(MRI/CT)
画像診断(MRI/CT)は、脳の状態を詳しく調べる検査で、脳萎縮や脳梗塞などを確認できます。また、水頭症、慢性硬膜下血腫、脳腫瘍など、見逃してはならない重篤な認知症や、手術で治療可能な認知症を発見するためにも重要な検査です。
05. VSRAD
(MRIを用いた脳の局所萎縮解析)
VSRAD(MRIを用いた脳の局所萎縮解析)は、MRIで取得したデータを専用のソフトウェアで解析し、脳の局所的な萎縮の状態を客観的に評価する検査です。特に、認知症の病型を診断する際の補助的な役割として有用です。
06. 脳波検査
脳波検査は、脳の機能低下を調べるだけでなく、認知症と似た症状を示す疾患を鑑別するために有用な検査です。例えば、けいれんを伴わないてんかんは、認知症と間違えられやすい病気の一つです。また、認知症の患者さまがてんかんを併発するケースも少なくありません。
07. メンタルチェック
メンタルチェックは、精神状態の不調が原因で認知症に似た症状が現れる場合に、それを見分けるための重要な検査です。認知症の診断には、こうした精神的な要因を考慮することが欠かせません。
08. MCIスクリーニング検査
(血液検査;保険診療外)
MCIスクリーニング検査は、軽度認知障害(MCI)を血液検査で調べることができる検査です。MCIは認知症の前段階ともいわれ、早期発見と対策が重要です。この検査は保険診療外(自費診療)となりますが、将来の認知症リスクを評価する有用な方法です。
09. ApoE遺伝子検査
(血液検査;保険診療外)
ApoE遺伝子検査は、アルツハイマー型認知症になりやすい遺伝子を持っているかどうかを調べる血液検査です。この検査は、認知症リスクの評価に役立ちますが、保険適応外(自費診療)となります。早期のリスク把握と対策を希望される方におすすめの検査です。